第6回詰将棋解答選手権

第6回詰将棋解答選手権の初級戦と一般戦に出場してきました。

全日本パズル選手権ナンプレ選手権では出題側に回ったため、解き手として純粋に楽しめるのはOAPCなど海外のオンラインコンテストのみ。早解き大会のあの心地よい緊張感が恋しくなった、というのが参加した一番大きな理由です。あの楽しさは一度味わってしまうと忘れられません。パズルに関しては、もう十数年どっぷり浸かっているので、どんなにマニアックな問題でも理解して楽しむことができますが、詰将棋に関してはそのレベルには程遠い。それでも基礎の基礎くらいは何とかあるので、解ける解けないには関係なく、楽しむくらいは出来るんじゃなかろうか、という軽い気持ちで参加してみました。目標としては「初級戦は時間内に全問正解」「一般戦は最低でも1問、出来ることなら2問」ということで。

昼前に出発して東京第一会場の亀戸へ。ほどほどにゆるい空気の中にほどほどに緊張感が漂う、何ともほっとする会場でした。初級戦の手数であればギリギリ暗算でも解けますが、見栄を張らず素直に盤駒を使って解くことに。開始時間までは大人しく「5手7手詰めパラダイス」をパラパラ解いてウォーミングアップ。

一旦解き始めてから大会が終わるまではあっと言う間でした。もっと長い時間考えていたかったくらいです(単純に時間が足りてない(笑))。即座に結果が発表される仕組みでしたが、自分の棋力を考えると大満足、望外の成績でした。上位争いには程遠いですが、それでもみんなで何かを競い合うというだけで楽しいものです。真剣さとゆるさのバランスの取れた、とても素敵なイベントだったと思います。

少し残念だったのは、解答用紙が返却されないこと。解答用紙を眺めつつ、ニコニコしたり、くやしがったり、後悔したりするのも結構楽しいものだと思うのですよね。大会後も色々と必要になるのだと思いますが、コピーを取るなどして、元の解答用紙を返却できるようにしてもらえたら嬉しいです。もう少し力をつけて、来年も(開催されるのであれば必ず)参加したいと思います。実行委員の皆さんお疲れ様でした&ありがとうございました。

以下は無駄に長い詳細メモ。
まずは初級戦。3〜5手詰めの問題6問を45分で解きます。問題は手数順に並んでいるので、1番から順番に。ぱっと見て41桂成,同銀,22馬と早とちりして解答を書き込んだところで44角の利きに気付いて動揺。これはひどい。取り合えず飛ばして2番へ。角を捨ててから開き王手。持ち駒なしというあたりに優しさを感じます。最後の金寄りが地味なので逆に気付きにくかった。とりあえず一問解けて一安心です。3番。馬をずらしてから龍捨て。14玉に対する龍引きがなかなか見えず苦労したので、そちらを答えにしたかったけど駒余り。同玉,23金まで。4番。飛車の横利きを通すしかないので取り合えず34金。でも取られて2筋に逃げ出されると捕まらないよなぁ…。しばらくいじっているうちに、別に金は捨てなくてもいいことに気付く。最後の飛車成のための足場に使えばいいのね。42金,34玉,44角成。あぁ、2筋に逃げるのはと金取ってぴったりなのかー。それでは駒余りなので、同玉,42飛車成まで。この手の問題は毎回はまります。5番。単に15飛だと25香の移動合でダメと。香車動かしちゃうとダメなのね。あ、最初に35銀,同馬を入れてから飛車を打てば、25香でも持ち駒打っても同飛直で詰むのか。問題は25馬のときだけど、これは36飛車の開き王手で詰み。両王手みたいに分かりやすくないのでこれも気付きにくかった。いい問題だ。6番は双玉問題。32に逃げられてはどうしようもないので、初手は23馬の開き王手で確定。44角の逆王手がすぐに浮かんだけど、これは35桂と跳ねて詰み。これが3手詰みってことはないので、もっと違うしのぎ方があるはず。逆王手をかけるとなると…47龍か。同香は同龍でダメだし、龍の利きがあるので35桂とも跳ねられない。なるほど。44歩と打って同龍とずらしてから35桂まで。5手だけど中身が濃いなぁ。最初に戻って1番。落ち着いて考えれば一瞬。大駒を大事にするクセはなかなか捨てられません(笑)。書き間違いがないか全問見直してから提出。22分くらいで退室となりました。

続いて一般戦。7〜17手詰めの問題6問を90分で解きます。全部は絶対に無理なので、解ける問題を確実に解くといういつもの方針で。まずは1番。37馬は17玉と入られると詰まない。17金も27金もダメだよなぁ…。うだうだ考えていると44馬でいけそうな気がしてきた。35合は同飛成から詰み。でも15玉,13飛成,14合,26金,同香,33角成,25玉となると詰まない。桂馬取ってもしょうがないし、13飛成となるのは作為ではないよね。あっと言う間に20分経過していて、焦りを覚えつつ2番は逃走。2筋方面に逃げられるとどうしようもなさげ。45馬,同歩,56飛は35玉でダメ。難しいことは出来なそうな問題なので、これと1番は解きたい。ここで1番に戻ってもう一度考える。結局のところ、銀が動いてしまうと詰まない。ということは37金17玉で…28金と捨てるのか!同玉の一手に金を動かして開き王手と。38金では香が働いてくるので27金。同玉に37龍までの詰み。37の地点は馬か龍と思っていたので、そこに金を打つ手は浮かびませんでした。1問解けてだいぶ気が楽に(笑)。全体をざっと眺めて6番へ。手数は一番多いはずだけど、こじんまりしていて解きやすそう。22銀成,同玉に32角成がぱっと浮かぶけど、12玉となって手が続かない。持ち駒の香を使わないと仕方がないので、22銀成,同玉のときに25香と打ってみる。同馬も合駒も詰むので同とが最善。よく分からないけど、と金をずらしておけばいいことがあるんだろう。32角成12玉となってみると…おぉ14香が打てるのか。正解っぽい手順だ。前に利く駒を合い駒すると、13で清算してから入手した合駒を14に打って最後は角打ちで詰み。ということで桂合いが最善だけど、これは清算しちゃうとダメっぽいぞ…。23には桂が利いてるしどうしよう…、というところで13同龍,同馬,24桂に気付く。大駒よりも香の利きの方が大切なのですね。同と,13香成,同玉,31角,12玉,22馬までぴったり17手。面白かったー。目標達成で大満足。あとはボーナスみたい気分でいけそうです。2番に戻って眺めていると、34角と打てば2筋方面に逃げられないことに気付く。その先はぽんぽん大駒を捨てて気持ちのいい手順で詰め上がり。望外の3問正解で気分は軽やかです。残り時間は20分ほど。ここからは3番と4番を行ったり来たり。3番は苦手な入玉図式。27馬寄,47玉,37馬,同玉,57龍は26玉で不詰め。27馬引,47玉,37馬,同玉,57龍は36玉で不詰め。17龍,同玉,27馬という収束の形は見えるのだけど、そこまでの手順がさっぱり。4番は54角がいかにもな感じ。17玉には39角、19玉には79飛成、同香には13龍でそれぞれ詰みだけど、どれも短手数だったり駒余りだったりで作為ではないのは明らか。あれれと悩んでいるうちに角や桂を中合されるとややこしいことに気付き、ごにょごにょしているうちにタイムアップ。結局6問中3問正解でした。部分点はたぶんなし。