シークワーズについての雑感

  • シークワード?シークワーズGoogleによると前者だけどWikipediaによると後者(引用符つけたらGoogleでも後者だった(笑))。自分は後者だけど、前者でも特に違和感は無い。
  • シークワーズを作る際に「盤面に組み込まれた単語は全体でひとつながりになる」という縛りがあるような気がするけど、作り手の共通認識かどうかはよく分かんない。使われる単語群によっては絶対に不可能な場合もあるだろうし。
  • シークワーズを作るためのコストは、他のパズルを作るためのコストと比べてとても低いので、こういう縛りがあった方が個人的には良いとおもう。ある程度の縛りを課す→品質的な底上げにつながる、というナンプレやスリリンにおける対称形縛りのような意味合い。解くときにまったく解き手の意識に上らないとしても、こういう部分に力を入れることは大切。
  • 「8方向どの向きにも、少なくとも1単語くらいは存在する」という縛りなんかも面白い。まず意識されないだろうけど、きっとこの差が面白さにつながる。たぶん。
  • 「ただテキトーに単語を配置するだけじゃダメ」という方向性の行き着く先の一つが「とにかく単語を交差させたぎっしり詰まった盤面」だろうけど、詰め込みすぎもよくない。
  • 例えば、この手の盤面で発生しやすいであろう「ある単語の全ての文字が他の単語と交差している」という状態は避けるべきだと思う。1単語につき1文字は「この単語でしか使われない文字」を設けるべき。
  • 序盤はリストを見ながら盤面を探索していくわけだけど、終盤になるにつれて「この辺はまだ使われていない文字が多いなぁ」という部分を頼りに「盤面→リスト」というアプローチも使えるように(使いやすく)なってくる。
  • 上記のような「全ての文字が他の単語と交差している」単語があると、(単語を見つけた順番によっては)この「盤面→リスト」というアプローチが使えなかったりする。解きかけのシークワーズの盤面は汚くなりがちだし、終盤に何の手がかりも無い状態から探すのはストレスたまる。むしろまっさらな状態から探すよりも大変。
  • この「盤面→リスト」という解き方は、「全ての文字が使われる」あるいは「残った文字を順に読むと(意味のある)言葉になる」という点に依存した解き方であり、言ってみれば他のペンパにおける唯一解を前提とした解き方(ナンリンの角の定理とかスリリンの角の2とか)とほとんど一緒。
  • でも違和感が無い(少なくとも自分は)という違いは、理詰めで解くパズルかどうかという違いからくるんだろうなぁ。
  • 全日本パズル選手権の決勝では最後のラウンドで必ずシークワーズが出題されていたわけだけど、これに関連して「シークワーズってパズルか?」という議論は何度も聞いたことがある。
  • 傾向として上位入賞者はシークワーズを解くのも早いし(例外あり)、パズルを解く能力とは少なからず関係ある。
  • 探すだけではパズルとは言えないだろうけど、濁点半濁点に注目して単語を探したり、終盤の「盤面→リスト」という解き方だったり、そういう部分はとてもパズルチック(パズルチックって一体どういうことだよ、という議論はさておき)。この部分がシークワーズをパズルと呼ぶために必要な要素だと思うし、シークワーズの醍醐味だとも思う。
  • 特に「盤面→リスト」という解き方は絶対になくてはならない要素。そういう意味では「10x10の盤面で単語5つ」などの純粋に探すだけのシークワーズは、パズルと呼ぶにはちょっと苦しい。
  • あと、個人的な感覚として、「同じ方向の単語同士が交差する」のがとても気持ち悪い。右から左の単語だろうが左から右の単語だろうが、同じヨコ方向同士の単語が交差しているとダメなんだよなぁ。タテやナナメも同様。
  • 見つけた単語に線を引くときに、2つの線が一体化しちゃうのがとても嫌なんだと思う。でも、昔は一本線じゃなくて、単語を丸で囲むチェック方法で解いていたのだけど、そのときも同じ感覚だったので、表記どうこうではなくて盤面の作りとしても嫌なのかな?
  • この感覚は「盤面をひとつながりに」や「単語の全ての文字を他と交差させてはダメ」よりも優先されるので、同じ向き同士を交差させるくらいなら盤面なんてバラバラでもいいとさえ思う。
  • ただ、これはあまり広く理解されない感覚だとも思うので、「自分がこの違和感を我慢すれば全て丸く収まる…!」とぐっと我慢する場面もときどきある。んー。
  • まだ何にも使われていない文字の上に線を引くときの気持ちよさ。序盤はまっさらな雪原に足跡をつける感覚に近い。終盤は踏み残した部分をていねいに踏んで無くしていく感覚。微妙な例えだ。
  • 既に使われている文字の上に更に線を引くときも気持ちいい。混沌の中に秩序というか何というか。単語が見つかったというよりは、全体の構造が明らかになっていく、という感覚の方が近いか。
  • 自分にとってのシークワーズは、ごちゃごちゃしているようでいて、その中には一定の秩序が隠れているパズル。どの程度かっちりした秩序にするのか、という作り手のバランス感覚の違いが問題の解き味の違いに出ると思う。